| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA2-148 (Poster presentation)

高木限界の上昇に対する気候変動の影響と将来予測

*岩井康平(東北大・生命),小黒芳生,中静透

高木限界は温度変化に敏感であるといわれており、温暖化で高木限界は上昇すると考えられる。高木限界に関する多くの先行研究は上昇の要因を調べており、具体的にどのくらい上昇したのか、そして将来どのくらい上昇するのか複数の山で調べた報告は筆者らの知る限りない。日本の高山帯は世界的にも低標高で温暖な地域に分布する希な存在だが、温暖化により高木限界が上昇すると大きな影響を受ける。こうした影響を調べるため、今後の予測も含め日本の高木限界の上昇について広範囲の調査が必要である。

本研究では約30年前と最近の空中写真を用い、北海道から日本アルプスまでの26の山々について高木限界がどのように変化したかを調べた。方法としては立体視ソフトを用いて空中写真を3D化し、樹高5mの木を高木限界としてその移動距離を計測することで上昇速度を求めた。

発表では、1.高木限界の位置を決める要因2.高木限界の上昇に影響する要因3.将来気候における高木限界の位置、の3つについて気象データ(気温・降水・降雪・日射量)、地形データ(斜面方位・傾斜角)、そして将来気候データを元に議論する。


日本生態学会