| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PC2-HS25 (Poster presentation)

デンジソウの就眠運動についての研究

*岩井楓, *大森文恵, 清板香帆, 松井千乃, 横田知子(清心女子高等学校)

本研究では、デンジソウの就眠運動が、与える光の波長によってどのように変わるのかを疑問に思い、調査を行った。就眠運動の計測には、昨年開発した自作の就眠運動記録装置を用い、1分毎の葉の角度を自動記録した。温度は20℃で一定、光条件は白色光・赤色光・緑色光・青色光の4種類とし、明期:暗期=12時間:12時間の光周期の下で3日間継続して実験を行った。実験の結果、特に青色光を照射した時に、白色光と類似した就眠運動リズムとなり、赤色光を照射した時には、光周期への同調があまり見られなかった。さらに、白色光と青色光を照射した際に、明期開始後、一度葉が閉じる現象が観察された。同環境条件における、光合成リズムと蒸散リズムを調べたところ、前述の「一度葉が閉じる現象」が起きる時間帯には、蒸散が盛んに行われており、就眠運動と蒸散とが大きく関連していると考えられた。先行研究において、青色光受容体タンパク質であるフォトトロピンにより、気孔が開くことが分かっているので、本研究により、気孔開口により蒸散が促進され、葉枕部の運動細胞内の水分が移動した結果、一度葉を閉じるといったメカニズムを示唆することができた。


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