| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


企画集会 T18-2 (Lecture in Symposium/Workshop)

複数の形質に基づくツバメの配偶者選択

*長谷川克(総研大・先導研),新井絵美(東北大・院・生命),渡辺守(筑波大・生命環境),中村雅彦(上教大・生物)

配偶者の選択基準は何か。雄の質で選ぶのか、雄のもつ資源で選ぶのか、あるいは全く別の基準で選ぶのだろうか。本発表では10年間日本でツバメ(Hirundo rustica gutturalis)を調べた結果、何が分かったか総括する。①ツバメの長い尾羽はこれまで雌の配偶者選択の対象であると考えられてきたが、少なくとも調査個体群では重要ではなかった。②むしろ、赤い喉や尾羽の白斑といった装飾が重要な性選択形質である。③また資源をほとんど含まないために無視されてきたなわばりが実は重要であった。最後に、④上述した装飾形質(いわゆる美しさ)と資源(なわばり)以外に「第三の形質」が雌の好みの対象となっていることを紹介し、その進化的帰結について議論する。


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