| 要旨トップ | ESJ62 自由集会 一覧 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


自由集会 W07 -- 3月18日 18:00-20:00 G会場

外来種の化学的防除〜効果・リスクの検証および合意形成への道程〜

企画者: 五箇公一(国立環境研), 戸田光彦(自然研)

外来生物法が施行されてから10年の節目を迎えつつあるが、現段階で特定外来生物の根絶という成功事例は皆無であり、防除現場におけるモチベーションの低下が懸念される。これまでの外来生物防除の手法は捕獲・抜き取りを基本としており、防除を進めているにも関わらず根絶に至れない原因として、1)外来生物の個体群成長・分布拡大の速度が大きすぎて、防除が追いつかないこと、および、2)防除によって個体群の低密度化までは成功しているが、捕獲効率が低下して、防除が長期化していること、が挙げられる。これらの現状を打破するために、新規な防除技術の導入が求められており、我々は様々な特定外来生物に対して化学的防除の手法開発を進めている。「毒を盛って毒を制する」本手法は、見えない敵に対しても浸透して効果をあげることが期待されるが一方で、環境や非標的生物に対する影響も十分に評価しておく必要がある。同時に、本手法を現場に適用するにあたっての現場関係者の合意形成も重要な課題となる。本集会では、2014年度より開始した環境省環境研究総合推進費プロジェクトで進めている特定外来生物の化学的防除手法開発の成果について報告するとともに、今後の課題について議論する。

[W07-1] 外来種の防除手法としての化学物質  五箇公一(国立環境研)

[W07-2] マングース防除における毒餌の活用とその必要性  山田文雄(森林総研)・城ヶ原貴通(岡山理科大)・橋本琢磨(自然研)

[W07-3] 小笠原のグリーンアノール防除への挑戦  戸田光彦(自然研)

[W07-4] セイヨウオオマルハナバチの低密度化を目指して  五箇公一(国立環境研)

[W07-5] アルゼンチンアリ根絶成功と生態影響評価  坂本佳子(国立環境研)

[W07-6] オオクチバス防除における生物由来化学物質の活用  藤本泰文(伊豆沼環境保全財団)・中井克樹(琵琶湖博物館)

[W07-7] 環境省としての防除戦略  環境省外来生物対策室

[W07-8] コメント:保護される鳥類と特定外来種ソウシチョウのおかれた状況から  石田健(東京大学)

[W07-9] コメント  大河内勇(森林総研)


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