| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(口頭発表) J3-28 (Oral presentation)

モデル選択で選ばれたモデルを使って検定するという方法は妥当か

*粕谷英一(九大・理・生物), 日室千尋(九大・理・生物)

生態学におけるデータ解析では、AIC(赤池情報量規準)やBIC(ベイズ情報量規準)などの情報量規準に基づくモデル選択と、検定や推定を合わせて使うことが広く行われている。だが、情報量規準によるモデル選択と検定や推定は相当に異なるロジックに基づいており、それらの併用の妥当性は明らかにされないままに、実際には広く使われているというのが実状である。よく見られる併用のパターンの1つとして、まず、影響を与えている可能性のある変数を共変量としてモデルに取り込むかどうかを決めるなどしてモデルを絞り、その絞った結果のモデルを使って、検定を行うというものがある。その妥当性を数値計算により検討する。

例として重回帰(線形の重回帰、一般化線形モデルで言えばidentityリンクで誤差構造が等分散の正規分布の場合)を使い、目的変数に対するある説明変数の効果を検定するとき、

(1)まず、他の説明変数を共変量として含めて検定するのか、それとも含めずに検定するのかを、情報量規準によるモデル選択などで決定する、

(2)その後で選ばれたモデルを用いた検定を行う、

という手順について検討する。


日本生態学会