| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-021 (Poster presentation)

静岡市巴川流域におけるカメ類の生息状況とカメと人との関わりについてのアンケート調査

*宮城 加菜, *佐野 瑞姫, 大塚 宗汰, 三浦 結 (静岡北高等学校)

本校では「巴川水系上・中流域のおけるカメ類の状況を把握し、外来種アカミミガメの脅威を明らかにする」ことを目的とし、2010年から5年間研究を行ってきた。

カメを選んだ理由は、研究を何年にもわたって続けられる長い寿命、生態系において高い位置づけにあること、世界においてよく知られておりペットとしても人気であることなどが挙げられる。

外来種アカミミガメの現状を調査するための捕獲調査(累積515個体)、カメ類の目撃情報や飼育に関する実状などの調査をするための地域の人々に対するアンケート調査(3地区累積訪問件数は2226軒で,回答軒数は1552軒)を行った。最優占種であるアカミミガメの生育分布と個体数の変遷を継続的に調査してきたが、依然、外来種の増殖が止まらない現状にあるという事がわかった。また、アンケート調査における人々の意識も、「外来種」に関する知識とペットとしての「生き物」への理解度が低いという結果がどの地区でも見られた。また、身近な自然環境の変化も感じていない人が多く見られた。

外来種による自然環境の悪化を防いでいくためにも外来種を防除していくだけでなく、人々の意識身の回りへの意識を高めていくことが必要だと考える。


日本生態学会