| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-027 (Poster presentation)

環境DNAを用いたミシシッピアカミミガメの生息分布調査

*千古 晴菜, *瓶内 ひなた, *松谷 朱莉, 安藤 一喜, 高橋 真, 藤井 大地, 藤江 祐哉, 脇舛 真穂 (兵庫県立加古川東高校)

本校が立地する東播磨地区は、多くのため池があり、外来種のカメの生息数が増加し、在来種の生息数の減少が問題となっている。近年、生物の生息分布モニタリング方法に「環境DNA」 を用いた手法がある。しかし、研究開始時にはカメでの先行研究はなく、調査手法の確立が必要であった。我々は、DNAサンプルが容易に入手できる「ミシシッピアカミミガメ」を調査対象種とし、そのプライマーの設計と高校設備で研究が可能であるかを検証した。研究の結果、アカミミガメの種特異的プライマーを設計することができた。そのプライマーを用い、アカミミガメ飼育水槽の水とカメの生息を目視確認した池の水から環境DNAを検出することができた。また、カメの生息を長年確認していない池の水からは、環境DNAが検出されなかった。このことから、アカミミガメにおいての調査手法が確立できた。また、生息の有無に関しては高校設備でも十分に研究が可能であるとわかった。今後の課題は、さらに広範囲の池の調査をして、生息の有無を地図上に示す。また、今回の調査手法が、他種の淡水ガメで応用が可能であると考えられる。そのため、在来種や希少種へ応用していきたいと考えている。


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