| 要旨トップ | ESJ63 自由集会 一覧 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


自由集会 W25 -- 3月23日 15:30-17:30 RoomG

データ解析で出会う統計的問題:なんとかしたい時系列データ

企画者: 粕谷英一 (九州大・理), 久保拓弥 (北海道大・環境)

昨年の自由集会で大きな反響のあった「時間の長さ・時系列データの統計モデリング」についての検討をつづけます.時系列データとは,たとえば同じ個体・生物集団・調査地などから何度も調査・観測をくりかえして得られる時間軸をもつデータです.あるいは一個体の挙動を経時的に記録したものも時系列データとなります.ある時刻のデータは前の時刻のデータとは独立ではないという特徴があり(時間的自己相関,ここでは時間相関),これを無視して統計モデルをあてはめると「にせの有意差」を発見することになったりします.

時系列データ解析では「Y = a + b×時間t」といった GLM 的なモデルのあてはめができないだけでなく,説明変数として使うデータも時系列データとなる場合があります.たとえば,個体数変動は気温の変化で説明できるか,あちこちに時間相関が登場し,統計モデル構築が難しくなります.

生態学の分野でも時系列データを解析する手法がいろいろと提案されていますが,必ずしもわかりやすいものではなく,「なぜこのような統計モデルが必要なのか」が理解しにくい場合もあります.この集会では時系列データの時間相関や差分を調べるといった基本的な方法から始まり,状態空間モデルなどの統計モデルへのあてはめなどを紹介し,集会当日にあつまってくださった皆さんと,これからの時系列データ解析について議論ができれば,と考えています.

*この自由集会の web page: http://goo.gl/LK9q4g

[W25-1] 生態学の時系列データ解析 (仮)  粕谷英一 (九州大・理)

[W25-2] 時系列データの統計モデリング入門 (続)  久保拓弥 (北海道大・環境)


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