| 要旨トップ | ESJ63 自由集会 一覧 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


自由集会 W34 -- 3月24日 17:00-19:00 RoomG

きのこる4 外生菌根菌の繁殖生態

企画者: 都野展子(金沢大・理工)

ほとんどの陸上植物の根には菌根菌と呼ばれる菌類が存在し、菌根性樹種の生育において菌根が損なわれると機能不全に陥るほどのタイトな共生関係にあります。菌根菌がいることで植物は乾燥地や重金属を含む土壌での生育を可能にしています。内之宮は、植物と菌根菌の共生において重要な役割を果たす、栄養のやり取りについて、植物と菌根菌における炭素とリンの時間変化を考えることで、相手にどれだけの資源を渡すべきかという、最適資源配分について数理的手法を用いて考察します。

木下らは地下生菌の繁殖生態について。トリュフに代表される地下生菌は、地上生の子実体形態から進化してきたと考えられており、動物依存の有性繁殖をおこなうと同時に、土壌中に拡がる菌糸によって無性繁殖します。このような地下生菌の繁殖様式の進化と多様化について、現在までの知見を紹介します。

北林らは、キノコを採集していると必ずといっていいほど見つかるうじ虫たちについて。皮一つ残し中身ほとんどウジ!なキノコも多く見かけますが、ウジはキノコにとって害虫とも限らないかもしれません。ウジの生態を報告します。この研究はキノコる集会1回目に紹介されたUJIプロジェクトの成果でもあります。

[W34-1] 資源の時間変化を組込んだ植物-菌根菌系における最適資源配分の数理モデル  内之宮光紀(九大・システム生命)

[W34-2] トリュフのきた道:地下生菌の繁殖様式の進化と多様化  *木下晃彦(国立科博), 佐々木廣海(菌懇会), 奈良一秀(東大院・新領域)

[W34-3] 菌食性双翅目幼虫と外生菌根菌ー胞子散布、菌根形成への影響ー  *北林慶子(金沢大・理工),都野展子(金沢大・理工) , 保坂健太郎(国立科博)


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