| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-K-335  (Poster presentation)

植物好きはどこにいる? - Twitterを使った植物への関心の地図化

*小黒芳生(森林総研)

人間生活は生態系サービス(CO2の吸収や食糧の供給など、生態系がもたらす便益)に依存しているが、人間活動の影響により、多くの生態系サービスは劣化している。このため、多くの研究が生態系サービスの潜在的供給場所を地図化してきた。しかし、サービスが発生するためには人間の需要が必要なため、サービスに対する需要も地図化する必要がある。しかし、供給と比べると需要を地図化した例は少ない。この研究では植物群集の供給する文化的サービスのひとつであるTweetネタのタネ供給サービスを人間がどこで享受しているのかを地図化した。

インターネット上の単文投稿サービスTwitterを用い、2013年の10月から植物名が含まれ、位置情報が付与されているTweetを取得した。また、位置情報が付与されているその他のTweetも同時に取得した。これらのデータを用いて、日本全国を対象にTweet数あたりの植物出現頻度を地図化した。さらに植物を在来種・栽培品種・その他の外来種にわけ、分布パターンの違いを見た。

Tweet植物出現頻度は都市で高いように見えたが、空間的パターンははっきりしなかった。一方、出現頻度のパターンは栽培品種と在来種・その他の外来種で異なり、在来種・外来種は都市近郊の緑地で出現頻度が高かったが栽培品種ではこのような傾向が弱かった。今後はどのような変数で植物の出現頻度が説明できるかを解析する予定である。


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