| 要旨トップ | ESJ64 自由集会 一覧 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


自由集会 W06  3月14日 18:00-20:00 G会場

繁殖様式多様性の進化生態学

別所和博(総合研究大学院大学/学術振興会特別研究員PD), 辻本典顯(京大・生態研), 土畑重人(京都大学大学院研究科)

 生物の繁殖は、個体群動態を記述する基本概念であると共に、適応や進化について議論するための指標の一部となりうることから、多くの関心が寄せられてきた。また、生物はしばしば複雑な繁殖様式を示すことが知られており、そういった形質がなぜ、どのように進化・維持されているのか、というのは興味深い問題である。しかし、複雑なシステムを持つ生物は、その特異性から、従来の手法が適用しづらいなど、その理解に困難を伴う。そこで、本集会では複雑な繁殖様式や、それに関連する複雑なシステムをもつ生物を研究対象とされている方に自身の研究を紹介して頂き、それらのアナロジーについて議論し、異なった分類群研究者間で知見を共有していくことを目指す。
 具体的には、京都大学の辻本が種子植物においてクローン繁殖により特徴づけられる個体の階層性と集団構造について、京都大学の土畑が社会性昆虫における繁殖戦略の多様性とその創出機構としての社会的コンフリクトについて話す。さらに、本集会では生態学会外から2名の研究者をお招きし、東京大学の市原健介氏に緑藻類におけるアポミクシスについて、国立科学博物館の海老原淳氏にシダ植物に見られる配偶体と胞子体の世代交代と分布パタンとの関係についてお話して頂く。また、集会の最後にコメンテーターにコメントをお願いする予定である。

[W06-1] 趣旨説明 *別所和博(総合研究大学院大学/学術振興会特別研究員PD)

[W06-2] 林床植物におけるクローン繁殖様式の個体差と集団構造 *辻本典顯(京大・生態研), 荒木希和子(立命館大・生命科学), 工藤洋(京大・生態研)

[W06-3] アポミクシスはスジアオノリの適応戦略に影響するか? *市原健介(東大・院・新領域/学術振興会特別研究員PD)

[W06-4] シダ植物配偶体の分布調査と継続観察から見えてきたこと *海老原淳(国立科学博物館)

[W06-5] 社会性昆虫のコロニー内対立が生み出す多様な繁殖様式 *土畑重人(京都大学)


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