| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(口頭発表) D01-06  (Oral presentation)

連結した湖沼生態系モデルに現れる時空間パターン

*佐藤一憲(静岡大学)

Scheffer (1998)が示したモデルは,レジームシフトを示す湖沼生態系モデルの最も代表的なものである.Hilt et al. (2011)は,このScheffer (1998)のモデルによって表される湖沼を使って,1次元空間上に100個を連結させたモデル(あるいは単純な河川のモデル)を考えた. Hilt et al. (2011)は,特に,上流のレジームシフトがドミノ効果によって下流のすべての湖に広がっていくことを示している.昨年の大会では,単一の湖でレジームシフトが起こる場合について,連結したモデルでもレジームシフトが起こることを確認し,レジームシフトが生じる過程で,下流の湖ほど多くの平衡状態をもつ可能性が増えるために,取りうる状態の予測がつきにくいことを報告した.本大会では,このようなレジームシフトが生じる過程では,水生植物や植物プランクトンの量について,具体的に,どのような複雑な空間パターンが現れるのかを示す.また,このような空間パターンは,各々の湖沼における水生植物と植物プランクトンの初期値の与え方によって大きく異なる.

Scheffer (1998) “Ecology of shallow lakes”
Hilt et al. (2011) Oikos 120: 766-775


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