| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-190  (Poster presentation)

多摩川河川敷におけるツノボソチビイッカク(甲虫目:アリモドキ科)の後翅多型とその季節的動態

*橋本晃生(首都大・生命)

ツノボソチビイッカク Mecynotarsus niponicus(以下、イッカク)は、砂浜海岸や河川の砂州に生息する微小な甲虫で、後翅が発達した長翅型とそれに対して後翅が杓文字状に矮小化した短翅型が存在する。イッカクの翅型の季節変化とそれに影響を及ぼす環境要因を調べるために、月に一度、多摩川河川敷の砂州においてピットフォールトラップを用いてイッカクを採集した。その結果、長翅型は短翅型よりも少なく、全体に占める長翅型の割合は約30%であった。また、二型はオス・メスともにみられ、一年を通じて常にメスよりもオスにおいて長翅型の割合が高かった。長翅率は春から夏にかけて上昇し、ピーク時には約50%の個体が長翅型であった。今回、以上の結果と気象データおよび河川水位データとを用いてイッカクの翅型に影響を及ぼす可能性のある環境因子の探索を行ったので、その結果を報告する。


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