| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-059  (Poster presentation)

ハクサンハタザオにおける全ゲノムDNAメチル化の季節動態

*伊藤佑(京大・生態研), 西尾治幾(京大・生態研), 樽谷芳明(国立遺伝研), 豊田敦(国立遺伝研), 藤山秋佐夫(国立遺伝研), 角谷徹仁(国立遺伝研, 東大・院・理), 工藤洋(京大・生態研)

シトシン塩基におけるDNAのメチル化は、真核生物において幅広い生物種で観察され、生殖・発生など様々な生命現象と関連している。DNAメチル化を介したゲノム領域の制御は、DNAの塩基配列の変化を伴わず細胞分裂前後も維持される、エピジェネティックな制御として知られている。これまでDNAメチル化の維持・制御機構に関しては、主にモデル生物を用いた研究により多くの知見が得られてきた。しかし、実験室での均一に保たれた環境ではなく実際に生物が棲息する自然環境下において、DNAのメチル化、またその制御機構がどのような機能を果たしているのかについては未だ不明な点が多い。
このような疑問に答えるため、我々はシロイヌナズナの近縁種であるハクサンハタザオの自然集団を対象に、通年のサンプリングと全ゲノムでのバイサルファイトシーケンス法によるゲノムワイドなDNAメチル化状態の検出を行った。
今回はその結果明らかになった、全ゲノムのDNAメチル化の一塩基解像度での季節動態について発表する。また、DNAメチル化の自然環境における動態の意義についても議論したい。


日本生態学会