| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-207  (Poster presentation)

生物多様性地域戦略で進める生態系保全と地域づくり

*増澤直(株式会社地域環境計画)

東京都内自治体ではこれまでに生物多様性地域戦略を策定した自治体が8区5市(平成29年3月現在)に留まっている。そこで、各市区町村の地域特性を生かした生物多様性地域戦略を策定できるよう、東京都版の地域戦略策定および事業推進のための新しい検討モデルおよびガイドラインの作成を行っている。検討モデルおよびガイドラインの作成は、公益財団法人東京市町村自治調査会が事務局である「生物多様性の保全に関する研究会」に参加する東京都の市区町村自治体職員が主体となり、ボトムアップ型アプローチと融合しながら進めている。研究は、東京都を地形および水系によって区分した6つグループが、地域連携すべき課題(周辺自治体が連携して情報収集し、共通した施策を講じることで、効率的・効果的な成果が得られる課題)についてテーマを設け、自治体職員自らがアイディアを発案しながら(ボトムアップ型アプローチ)、共通のツールを検討した。研究テーマは、「新しいエコツーリズム・グリーンツーリズム」「東京ブルー(外来種)マップ作成」「カワセミ保全からはじめる生態系ネットワークづくり」「生物多様性ブランド発見」「まちの生きもの調べ」「防災減災と両立する生物多様性」である。各グループの成果であるツールを活かし、地域の課題解決、生物多様性を活かした地域の持続的発展に寄与する検討モデルおよびガイドラインを作成しているところである。本研究は、「オール62市区町村共同事業 みどり東京・温暖化防止プロジェクト」生物多様性の保全に関する研究業務の中で進めたもので、公益財団法人東京市町村自治調査会の研究委託により、株式会社地域環境計画が研究支援したものである。


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