| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-02  (Poster presentation)

ドジョウM.anguillicaudatusとカラドジョウM.dabryanusの関係性

*石川智就, 木本颯(越谷北高等学校)

本研究の動機としては、越谷北高校周辺の用水路ではどのような外来生物が見られ、在来生物と外来生物がどのように分布しているかを調査した過程で、ドジョウMisgurnus anaguillicaudatus とカラドジョウMisgurnus dabryanus に関係性があるのではないかと考え、「越谷北高校周辺の水生生物を探る」での結果を用い、改めて考察した。
調査期間は5月27日~6月23日、4~5人で1~2時間調査を行い、各場所2回ずつ行った。用水路で目視できた生物はタモ網ですくい、びんどう(罠)は、淡水釣り用配合餌と蛹粉を混ぜた餌を用い、調査1回につき2つ設置した。採集した個体については、昨年度の調査では行わなかったアルコール固定を行った。
考察として、採集されたカラドジョウとドジョウの個体数にあまり差がなく、ドジョウ・カラドジョウが採集された場所についても差がないことから、ドジョウ・カラドジョウが競合している可能性もあるが、うまく住み分けをし、共存している可能性も考えられる。しかし、ドジョウ・カラドジョウが特に多く採れた場所では、カラドジョウのほうが圧倒的に多く、ドジョウやカラドジョウの体型がほぼ全て短躯型と思われる体型になっていた。このことは水質によるものなのか、他の要因によるものなのかははっきりしないが、何かあると考えられる。
今回の反省としては、調査人数など調査時の条件を統一するようにしたが、各場所に行く回数が減ってしまい、データの信用性を上げることができなかったこと、用水路の水抜き時期を把握していたが、その後の調査に行くことができなかったことが挙げられる。
今後は、ドジョウ・カラドジョウの個体数がほぼ同じ、もしくはカラドジョウのほうが多かった所もあったので、室内での飼育実験等も合わせて実施し、さらに細かくドジョウとカラドジョウの関係性について明らかにしていきたい。


日本生態学会