| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-43  (Poster presentation)

越谷北高校周辺の水生生物を探る

*角田柊, 川上瞭(越谷北高等学校)

日本の用水路には、沢山の外来生物が移入され定着していることが知られているが、十分には詳しく調査記録されていない。そのため、越谷北高校周辺の用水路ではどのような外来生物が見られるのか、また在来生物と外来生物がどのように分布しているかを調査した。
調査期間は5月27日~6月23日、4~5人で1~2時間調査を行い、各場所2回ずつ行った。用水路で目視できた生物はタモ網ですくい、びんどう(罠)は、淡水釣り用配合餌と蛹粉を混ぜた餌を用い、調査1回につき2つ設置した。採集した生物については、同定結果の精度を上げるため、昨年は行わなかったアルコール固定を行い標本として保管した。
考察として、今回アメリカザリガニが特に多く取れた場所は、用水路が土で形成されているか、泥が多く堆積している場所だったので、アメリカザリガニは泥が堆積している所を好むと考えられる。また、モツゴは、用水路がつながっている、比較的流れが弱い場所に集中していたので、あまり移動せず、集団で生活していると考えられる。小さな魚やドジョウの仲間は泥がより多く堆積している場所で去年、今年とも多く採れたので、泥の中に隠れて生活しているのではないかと考えられる。
1回目の調査で、形態に異常があるキンギョが採集されたが、2回目の調査で全く見られていないことから、飼育繁殖されたキンギョの中で異常のある個体が捨てられていた可能性が考えられる。
今回の調査では、昨年の反省を踏まえ、調査人数などの条件をできるだけ統一するようにしたが、各調査場所に行く回数が減ってしまい、個々の場所についてのデータの信用性を上げることができなかった。また、今年は用水路の水抜きの時期を把握していたが、調査回数が少なくなってしまった。また昨年から継続して調査を行ってきたので、来年以降も続けて調査を行いたい。


日本生態学会