| 要旨トップ | ESJ65 企画集会 一覧 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


企画集会 T10  3月15日 17:30-19:30 G会場

森林生態系の枯死木分解に関わる生物群集

深澤遊(東北大・農)、鈴木智之(東大・農)

枯死木は炭素の巨大な貯蔵庫であると共に、菌類やバクテリア、植物や無脊椎動物など多様な生物の生息場所となっており、森林生態系の物質循環・生物多様性に重要な役割を果たしている。枯死木に生息する生物群集は複雑な相互作用の中で枯死木を物理的・化学的に分解し、分解によって生じた材の物理化学的な変化は逆に生物群集の遷移を促す。こういった生物群集と材質の間のフィードバック関係は、枯死木分解の根幹をなすメカニズムと考えられる。しかしながら、生物群集と材分解の関係についての理解は、いまだ十分とは言えない。この集会では、生物群集と材分解の関係に着目して研究を行っている5人の方々に話題提供をいただく。トピックは、節足動物群集と材分解の関係から、樹病を含む節足動物と菌類の関係、さらに枯死木に関わる食物網と多岐にわたる。また時間スケールも、1年から数年の研究から50年前のイベントの影響を扱ったものまで幅広い。集会での議論を通じて枯死木分解とそれに関わる生物群集についての最新の情報を共有するとともに、今後の方向性について考えたい。(コメンテーター:小林真)

[T10-1] 林床の枯死木が支えるトビムシ群集の機能の多様性 藤井佐織(アムステルダム自由大学)

[T10-2] 都市化による枯死木依存性節足動物群集の変化と分解機能 宮崎怜(横浜国大・環境情報)

[T10-3] 木材腐朽性菌食甲虫の空間分布と胞子散布 原田友也(金沢大)

[T10-4] コナラ枯死木の菌類群集と分解過程にナラ枯れが与える影響 深澤遊(東北大・農)

[T10-5] 枯死木を利用する生物群集が森林生態系食物網に与える影響:50年前の風倒地を例に 鈴木智之(東大・農)


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