| 要旨トップ | ESJ65 自由集会 一覧 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


自由集会 W06  3月14日 16:00-18:00 F会場

いまさら聞けない! 次世代シーケンサーで何ができるの?

水澤玲子(福島大・人文)

生態学会で次世代シーケンサー(NGS)を用いた研究事例の発表が散見されるようになったのは2010年ごろからではないでしょうか。2-3年の間に急速に普及し,最近ではもはや次世代ではないという意味を込めて「新型シーケンサー」という表現も使われるようになりました。現在NGSは,環境中のメタゲノム解析,野生生物の適応遺伝子の探査,種間の系統関係の解明,集団間の遺伝構造の解析など,様々な生態学的研究で使用されています。
一方で,NGSが普及するよりも前に自立してしまった研究者の中には,NGSを用いて自身の研究材料を解析してみたいという思いを抱きつつも,気軽に相談できる経験者が身近におらず,初めの一歩を踏み出せずにいる方も少なくないのではないでしょうか。何を隠そう,企画者自身もそのような研究者の一人です。

〇NGSはデータ量が多い反面エラーも多いらしいけど,自分の興味に対してどれくらい適したツールなの?
〇古いサンプルなら手元に沢山あるんだけど,これってNGSの解析に使えるの?
〇NGSのデータを扱うためには,どの程度のコストをかけてどのような設備を整えればよいの?

本集会は,このようなNGSにまつわる「いまさら聞けない疑問」を相談する場を提供することを目的として,経験豊富な4名の研究者に話題提供をお願いしました。NGSはパワフルなツールではありますが,普及に伴い「万能ではない」ということも明らかになりつつあります。NGSの得手不得手を正しく理解して,賢く「初めの一歩」を踏み出しましょう。また,本集会はこれからNGSを用いた研究を始める予定の学生の皆さんにも,有意義な場となることを期待しています。皆様の参加を心よりお待ち申し上げます。

[W06-1] 計画的に使おう!ツールとしてのNGS: RNA-seqを中心に,使用の際の注意点 尾崎克久(JT生命誌),小寺正明(東工大),武藤愛(奈良先端大)

[W06-2] NGSを用いた野生動物の食性解析:研究の現状と課題 安藤温子(国環研)

[W06-3] MIG-seq:NGSを用いた迅速で簡単な多型解析法 綱本良啓(東北大・農),満行知花(九州大・理),陶山佳久(東北大・農)

[W06-4] NGSのSNPデータを集団遺伝解析に使う事の利点と欠点:非モデル生物の研究で気をつけることは? 岩崎貴也(神奈川大・理)


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