| 要旨トップ | ESJ65 自由集会 一覧 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


自由集会 W25  3月17日 18:00-20:00 G会場

人×自然×都市計画から考える新たな都市生態学の展開

内田健太(北大・環境), 山崎 嵩拓(東大・都市工)

 都市は本来、人間社会の経済発展や福利増進を目的に形作られてきた。しかし、現在様々な生物が都市に進出するようになり、都市は人間だけでなく生物にとっても重要な生息地となりつつある。私たちもまた、こうした身近な自然との触れ合いを通じて自身の自然観や生物多様性保全の意識を育んでいる。ただし、都市における人と自然の関係性は、必ずしも固定的なものではなく社会背景や生物応答によって絶えず変化しうる。今後、都市において両者の関係性を“良好に”構築・維持していくためには、生態学と都市計画を繋げて、互いの分野の視点を積極的に活用していくことが重要なのではないだろうか。
 例えば、都市計画が人々の自然との関わり方や生物の行動・分布、さらに両者の相互作用に与える影響を理解し、こうした成果を都市計画の現場に効果的に落とし込でいく必要がある。しかし、私たち生態学者側にとって人間活動に主眼を置く都市計画分野は馴染みが薄く、両者の間には大きなギャップがあるように見える。
 本集会では、人・自然・都市計画間の相互作用をテーマに、都市計画が人と自然の関係性にどのように作用するのか、その関係性の理解が都市計画へとどのようにフィードバックされうるかについて考えたい。都市を舞台として研究を進めている演者を招き、最新の成果や課題を発表して頂く。そして、今後の都市生態学と都市計画の分野融合的展開の可能性について、コメンテーターや会場を交えて議論したい。

コメンテーター:宮下直 (東大・農),  小篠隆生(北大・工)

[W25-1] 趣旨説明: 生態学と都市計画のギャップ 内田健太 (北大・環境)

[W25-2] 人の文化・歴史が、都市に生息する鳥類に与える影響 三上修 (北海道教育大・函館校)

[W25-3] 都市における人と自然との関わり合い: 現状と課題、今後の展望 曽我昌史(東大・農)

[W25-4] 都市計画における"緑"の扱いと次なる"緑"政策の展開へ向けた生態学との協働 山崎 嵩拓 (東大・都市工), 内田健太 (北大・環境)


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