| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


シンポジウム ME01-1  (Presentation in Symposium)

趣旨説明:環境適応の分子基盤研究に生態学者はどう関わるべきか?
How ecologists can participate in molecular-based researches on environmental adaptaion

*河田雅圭(東北大生命)
*Masakado kawata(Tohoku University)

個体の性質、たとえば、体サイズ、寿命、繁殖、代謝、環境耐性、栄養・採餌、行動などは、個体数、分布、個体間・種間相互作用、エネルギー流、栄養循環など生態学の主要な問題に関わる性質であるが、これらの分子的基盤が解明されつつある。生態学ではこれらの性質の分子基盤は不明でも、生態学の理論や考え自体には影響を受けないと思われてきた。しかし、生態学で仮定されてきた考え方の一部は成り立たなくなる可能性もある。一方、これまで、実験室の中で少数のモデル生物を使って分子基盤を解明してきた分子生物学においても、実験室のコントロールされた環境や特殊なモデル生物では、本来の生物のもつ機構があきらかに出来ない、という考えが広がっている。このような背景のなか、現在は、生態学と分子生物学の学際的研究が求められるタイムリーな時期である思われる。そこで、本講演では、生態学者と分子生物学者の求める解答の違いはなにか、どのような視点での共同研究が重要になるかについて、考察したい。


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