| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-344  (Poster presentation)

兵庫県豊岡市で導入されたコウノトリ育む水田におけるカエル類の食性
Feeding habits of frogs in the paddy fields of the White Stork Friendly Farming Method in Toyooka City, Hyogo Prefecture

*薮下拓斗, 佐川志朗(兵庫県立大学大学院)
*Takuto YABUSHITA, Shiro SAGAWA(Hyogo Univ.)

兵庫県豊岡市では環境保全型水稲農法のコウノトリ育む農法(育む農法)が2003年より導入されている。育む農法の要件として、無農薬や減農薬といった化学合成農薬削減に加えて、カエル類やトンボ類の上陸時期を勘案して中干を遅らせる中干延期の他、冬場に水を張る冬期湛水などの水管理方法が導入されている。本研究では、育む農法が優占する区(祥雲寺区)、慣行農法(上記の要件が加味されていない従来の水稲農法)が優占する区(鎌田区)および水田ビオトープ区において、カエル類の周年にわたる出現状況と食性を調査したのでここに報告する。
3調査区の既設の道路にそれぞれ1kmのラインセンサスルートを設け、その両側の畦(幅1.5m)を歩き目視したカエル類を捕獲した。捕獲したカエル類は、実験室に持ち帰りピンセットを用いた強制嘔吐法により胃内容物を取り出し実体顕微鏡下で同定を行った。
1年を通じて、ニホンアマガエル(Hyla japonica)、アカガエル属(Rana spp.)、トノサマガエル(Pelophylax nigromaculatus)、ツチガエル(Glandirana rugosa)、およびヌマガエル(Fejervarya kawamurai)の5種類が確認された。両水田区(祥雲寺区および鎌田区)ではニホンアマガエル、トノサマガエル、およびヌマガエルの3種が確認され、ビオトープ区では前述した5種類すべてが確認された。有意差検定の結果、両水田区とビオトープ間で有意差が認められた。胃内容組成にはトノサマガエルとヌマガエルには有意差が見られなかったが、ニホンアマガエルと他の2種類には有意差が認められた。また、ニホンアマガエルにおいて慣行農法とビオトープ間で有意差が認められた。
発表では以上の結果を示して、カエル類に対して効果的な水稲農法について考察してみたい。


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