| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-030  (Poster presentation)

琵琶湖堆積物からの過去100年のウイルス叢復元の試み
Viral metagenomics of a one-hundred-year sediment core from Lake Biwa

*本庄三恵(京大・生態研), 槻木玲美(松山大・法), 加三千宣(愛媛大・CMES), 岡崎友輔(産総研), 木村成子(滋賀県大・環境), 吉田天士(京大・農), 左子芳彦(京大・農), 工藤洋(京大・生態研)
*Mie N. Honjo(CER, Kyoto Univ.), Narumi K. Tsugeki(Law, Matsuyama Univ.), Michinobu Kuwae(CMES, Ehime Univ.), Yusuke Okazaki(AIST), Shigeko Kimura(Environ., Univ. Shiga Pref.), Takashi Yoshida(Agriculture, Kyoto Univ.), Yoshihiko Sako(Agriculture, Kyoto Univ.), Hiroshi Kudoh(CER, Kyoto Univ.)

人間活動による水辺環境改変や水質汚濁は、湖沼生態系に変化をもたらしつつある。しかしながら、各湖沼における生物相の長期モニタリングデータは少なく、多くの場合、生物相がいつ頃から変化したのかの情報入手は困難である。そのような中、生物遺骸が残された堆積物の解析は、過去の生物相を知る極めて有効な手段の1つであり、海洋をはじめ湖沼においても魚類や動植物プランクトンの生物相復元が行われてきた(Tsugeki et al. 2010, Kuwae et al. 2017)。一方、堆積物には魚類ウイルスなど水中に存在するウイルスが濃縮され検出可能なレベル存在することが報告されている(Honjo et al . 2012)。そこで、過去の長期変化を捉えられる堆積物の網羅的なウイルス解析は、幅広い生物種にわたり宿主とウイルスの長期動態を検出する有効な手段となる可能性がある。本発表では、湖底堆積物に残されたDNAから過去のウイルス叢復元を試み、ウイルスがこの100年どのように変化してきたのか、網羅的なウイルス叢解析の結果を紹介する。
対象とした調査地は、1970年代の高度経済成長期に動植物プランクトン相が変化したことが分かっている琵琶湖とした。2017年8月琵琶湖北湖の水深70mの地点で過去100年分に相当する堆積物コア9本を採取し、うち1本を年代測定、1本をウイルス叢解析に用いた。厚さ1cm刻みでスライスした堆積試料からウイルスを回収し、2-3サンプルをまとめ、計12サンプルについてCsCl密度勾配超遠心によりウイルス粒子のみを濃縮した。抽出DNAをGenomiPhi V2で増幅した結果、解析可能な量のDNAを得ることができた。得られたDNA量は、1960年代を境により年代の新しい堆積試料で急激に増加していた。発表では、次世代シーケンサー(MiSeq)を用いたウイルスメタゲノム解析の結果を報告する。


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