| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-066  (Poster presentation)

ニホンミツバチとセイヨウミツバチにおける胸部の毛の形態比較
Morphological comparisons of thoracic hair between Apis cerana japonica and Apis mellifera

*坂本佳子(国立環境研究所)
*Yoshiko SAKAMOTO,(NIES)

アカリンダニAcarapis woodi(以下、ダニ)は、体長約0.1mmの微小な寄生ダニで、ミツバチの胸部気管内で繁殖し、宿主の飛翔および発熱能力に影響を及ぼす。かつて、ヨーロッパや北米・南米のセイヨウミツバチApis mellifera(以下、セイヨウ)において大流行した本ダニが、2010年にニホンミツバチ(以下、ニホン)より初めて確認された。全国のダニ寄生率を調査した結果、セイヨウではほとんど寄生が確認されないのに対して、ニホンでは本州全域に寄生が拡大していることがわかっている。これまでの室内実験でも、気管へのダニ侵入率はニホンよりセイヨウで低く、その要因として、セイヨウは体表を移動するダニを感知し、それを自己グルーミングによって払い落とす能力に長けることが示唆されている。本研究では、ダニの存在が自己グルーミングを誘発するメカニズムの一つとして、ミツバチ体表の毛が感覚器として機能していると想定し、胸部体毛の形態をセイヨウおよびニホン間で比較した。


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