| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-197  (Poster presentation)

川の生き物親子観察会 -子供の興味?親の興味?-
Children and parents to observe the creatures of the river

*金田彰二(佐野市楽習講師会)
*Shoji KANADA(Sano Gakusyukoshikai)

 観察対象とする川の生き物とは、水生昆虫等の底生動物である。河川の底生動物は、全国水生生物調査(環境省)等で生物学的水質判定の指標生物として利用されているが、演者は生物そのものの生活様式や環境との関わりについて学習するきっかけとなることを目的として観察会を実施している。本発表では、観察会で得られたアンケート結果(東京都練馬区の石神井川で実施)に基づく子供と保護者の興味の違いを検討した。アンケート内容は、(1)属性(子供・保護者)、(2)情報源(区報・チラシ)、(3) 観察会の内容(分かりやすさ、善し悪し、時間)、(4)感想、(5)希望で、(1)(2)(3)は選択肢法、(4)(5)は自由回答法である。検討には、2016年9月、2017年6月、2018年5月及び9月の計4回の観察会で得られた約100名の調査結果から属性と感想の記述を用いた。観察会に参加した印象として「楽しかった・良かった等」の記述が見られた割合は、子供88[%]、保護者59[%]であった。内容に関する記述として「たくさんの生き物が見られた等」の記述は子供46[%]、保護者42[%]、「実際に採集や観察ができた等」の記述は子供43[%]、保護者28[%]、「川に入れた等」の記述は子供11[%]、保護者30[%]であった。子供は、素直に「楽しかった」と思い、「実際に採集や観察ができた」「たくさんの生き物を見られた」ことを良かったと感じている。保護者は、「実際に採集や観察ができた」ことより「川に入れた」ことを良かったと感じているようだ。観察会の内容は、概ね次のとおりである。(1)水生昆虫等の底生動物を自分で採集する。(2)容器に移して分類・同定、観察・スケッチなどを行う。生物の形態や行動(歩く、泳ぐ、隠れる等)を観察しながらテキストを参照して分類する。気に入ったものをスケッチする。スケッチした動物に好きな名前を付ける。(3)皆の前で観察内容を発表する。(4)動物の特徴や食物連鎖・生活史などについてレクチャーする。


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