| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-198  (Poster presentation)

教師の過去の自然体験は授業内容に影響するか~小中学校教員700名を対象とした調査~
Does teachrer's past experiences of nature affect the quality of class with nature activity?

*山野井貴浩(白鴎大学), 曽我昌史(東京大学大学院), 土屋一彬(東京大学大学院), 小柳知代(東京学芸大学), 金井正(白鴎大学)
*Takahiro YAMANOI(Hakuoh University), Masashi SOGA(The University of Tokyo), Kazuaki TSUCHIYA(The University of Tokyo), Tomoyo F KOYANAGI(Tokyo Gakugei University), Tadashi KANAI(Hakuoh University)

 生物多様性の減少に伴い,市民の自然体験の機会が減り,その経験が乏しい人が増加している.この「経験の消失」は,環境保全意識の低下や環境保全活動への参加頻度に負の影響を及ぼす.特に,幼少期の自然体験の頻度はこれらに負の影響を及ぼす.一方,多くの国々で子どもの自然体験の減少が報告されている.幼少期の自然体験の頻度を高める手立てとして,学校教育の充実が挙げられる.学校教育での自然体験の質の改善を進めるには,教員の授業改善が必要となるが,自然体験を伴う授業の質がどのような要因によって決まっているかは明らかではない.
 日本の理科教育においては,小学校3, 4年生および中学校1年生の単元において,野外観察を伴う学習が求められている.しかしながら,現職の教員を対象とした調査は行われておらず,実際の授業の質がどのような要因の影響を受けているかは不明である.よって本研究は,栃木県内の現職の小学校教員(437名)および中学校理科教員(261名)を対象とした質問紙調査により,野外観察を伴う授業の質がどのような要因の影響を受けているかを明らかにすることを目的とした.要因の候補として,幼少期の自然体験の頻度,Nature Relatedness(NR),生物名の知識,学校周辺の植被率などを調査した.
 一般化線形混合モデルにより解析したところ,「自然観察の際,昆虫や植物をみたり触ったりすることを勧めるか」や「この単元の授業で昆虫や植物の生態の話をしているか」の頻度に関して,小学校および中学校教員ともNRが強く関係していた.また,「この単元の授業で昆虫や植物の生態の話をしているか」の頻度に関して,中学校教員のみにおいて、大学での自然体験に関する講義の頻度が強く関係していた.本発表では詳細な結果について報告する.


日本生態学会