| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-236  (Poster presentation)

自然資源に立脚した地域再生を探る:行政文書を用いた解析
Research on regional revitalization based on natural capital using government documents

*久保雄広(国立環境研究所), 三ツ井聡美(北海道大学, 国立環境研究所), 深澤圭太(国立環境研究所)
*Takahiro KUBO(NIES), Satomi MITSUI(Hokkaido University, NIES), Keita FUKASAWA(NIES)

人口減少社会に突入する中、自然環境の保全を念頭に、自然資源を持続的に利用し、地域社会の発展に貢献する管理や施策の充実が求められている。特に中山間地域の森林や里山の管理放棄は深刻な問題であり、地域社会の活性化と合わせた議論は喫緊の課題となっている。
本発表では、平成17年から平成29年までに地方公共団体が作成した地域再生計画を用いて、各地域が地域活性化のために利用および活用できると認識している自然資本を国土スケールで可視化することで、今後の保全管理及び地域活性化に向けた課題を議論することを目的とする。
本研究では、地域再生計画の可視化にはテキスト・マイニングを適用し、自然資本に関する単語の抽出を実施した後、その単語頻度を都道府県ごとに地図上で可視化を行った。その結果、林道整備等に関する森林の話題を多くの都道府県で確認することができた一方、里山に関する話題は一部の都道府県での確認にとどまった。地域の活性化や再生と合わせて自然資源の管理を位置づけることは今後の保全管理を考える上では欠かせない視点である。今後、時代背景と合わせた自然資源管理の変遷を評価していく必要があるだろう。


日本生態学会