| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-358  (Poster presentation)

環境変動と協同繁殖の進化
The evolution of cooperative reproduction in a fluctuating environment

*廣田忠雄, 亀元康範(山形大学)
*Tadao HIROTA, Yasunori KAMEMOTO(Yamagata University)

協同繁殖は、様々な分類群でみられる。繁殖の協同者が、平等に繁殖する場合もあるが、一部の個体が繁殖を独占する場合もある。アリやハチでは、複数の女王で創設しても、生き残った女王1匹しか繁殖できない場合がある。シチメンチョウでは、複数のオスが協同で1羽のメスと繁殖集団を作るが、実際に交尾できるオスは1羽だけで、残りのオスはヘルパーに徹する。しかし、オス同士が通常兄弟であるため、血縁選択によって協同繁殖が維持されていると考えられる。本報では、シチメンチョウと同様の協同繁殖が、非血縁者間にも進化するか否か、理論的に検討した。シチメンチョウの生活史をベースに、非血縁のオス2羽が、協同でメス1羽を迎え繁殖集団を作るものの、無作為に選ばれた一方のオスだけが繁殖すると仮定した。また、繁殖しないオスはヘルパーになるため、協同繁殖ではヘルパーがいないつがいの2倍子を残せると仮定した。また、協同繁殖と単独繁殖の適応度が、どの世代でも値が変わらない場合と、適応度が世代ごとに変動する場合で、共同繁殖の進化しやすさを比較した。変動によって生じる幾何平均の変化が、共同繁殖の進化に与える影響を考察した。


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