| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-443  (Poster presentation)

超音波画像診断装置を用いた水田ビオトープでの水生生物探査手法の確立
Development of a new methodology for animal survay in biotopes using  ultrasonic imaging

*本間航介, 佐藤太郎, 梅木信尚, 元永佳孝, 吉川夏樹(新潟大学)
*Kousuke HOMMA, Taro Sato, Nobuhisa Umeki, Yoshitaka Motonaga, Natsuki Yoshikawa(Niigata Univ.)

里山における水田・排水路・ため池など、水生生物の多様性維持に重要な小規模の止水域において、コドラート法をはじめとする手網や投網による採取調査は精密な種同定と個体数記録が出来る反面、攪乱による影響も大きいため反復調査には適さない。一度ファウナが特定できていれば、その後の調査は種群毎の大まかなバイオマスの変動だけ追えれば良いという場合も少なくないため、こうしたケースでは非破壊的な調査手法の導入による攪乱の抑止を積極的に考えていくべきだろう。

そこで、本研究では医療用超音波画像診断装置(超音波エコー)をこれら超浅水深のフィールドに最適化し生物探査装置として利用するための試作・開発を行ってきた。

医療用エコーをそのままフィールドで使用した場合、最も大きな問題となるのはセンシング深度であり、この値を規定するのはプローブの周波数である。医療用では3.5MHz前後の帯域を使用して25cm程度の深度を可視化するが、これではフィールドで不便である。そこで、プローブ周波数をより低く設定して、フレームレートを可変出来る仕様の機材を特注で製作した。

2.8MHz仕様では、約40cm程度の水深まで視野が確保されるようになった。現在、1.5MHz仕様を開発中であり、これによって50cmまで観察できる見込みである。ただし、50cm以上の深度では、音波が到達したとしても、プローブと検体の間を音が往復する時間が長くなるため、フレームレートが10fps程度まで低下して早く動く生物の観察やバイオマス把握には限界が生じることも分かった。


日本生態学会