| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-22  (Poster presentation)

手洗い後の乾燥方法における、最適な乾燥媒体とは
The research about the most suitable drying clothes after washing our hands

*中島友香(神戸大学附属中等)
*Yuka Nakajima(Kobe Univ. Secondary)

 本研究は、手洗い後の手を乾かす過程において、一番除菌効果が高いハンカチはどの種類のものなのかを、ハンカチの素材と織り方の2側面から調査し、最適なハンカチを提案したものである。 
 手洗いは日常生活において習慣のようなものである。手洗いが感染症の拡大を防ぐことや風邪の予防につながることは、様々な先行研究から示されている。しかし手洗い過程において、「石鹸を手にこすり合わせる段階」と、「石鹸を水で洗い流す段階」については昔から様々な研究や議論がなされてきた一方で、最後の段階である「濡れた手を乾かす段階」は、今まで議論があまりなされてこなかった。また、除菌効果を意識してハンカチを購入している人は非常に少ないと考え、本当にハンカチで手を拭くことは除菌につながるのかや、最も除菌効果の高いハンカチはどのような種類なのかという疑問を持った。そこで本研究では、手洗いの研究において今まであまり着目されてこなかった「手を乾かす段階」の特にハンカチについて、除菌効果の差を実験により調査した。 
 まず、異なる材質のハンカチ4種類を用意し、乾燥前と乾燥後の手についた菌をそれぞれ培地で培養した。結果から減少率を計算し、素材ごとに比較した。結果として、ハンカチの除菌効果は素材によっては変化しないことがわかった。
 次に、素材別の実験で課題となった面を改善した上で、同様の方法で異なる4種類の織り方のハンカチにおける除菌効果を比較する実験を行った。この実験から、ガーゼ織りとワッフル織りのハンカチが他の織り方のものよりも除菌効果が高いことが判明した。同時に、すべての織り方のハンカチにおいて除菌効果の値が正であったことから、どの織り方でもハンカチで手を拭くことは手の除菌につながることもわかった。
 本研究では様々な成果があげられたが、実験上の課題が残っているため、今後改善していきたい。


日本生態学会