| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-71  (Poster presentation)

大阪府南部泉州地域の害獣の分布についての研究
Study on the distribution of harmful animals in Senshu, southern Osaka Prefecture

*濵野紗耶加(大阪府立岸和田高校)
*Sayaka Hamano(Osaka Pref Kishiwada H.S.)

目的
海外からペットとして持ち込まれ、凶暴な性格ゆえ、飼い主に捨てられて野生化しているアライグマや、食料不足の為に山を下りてくるイノシシが人間に泉州地域(大阪府南部)で被害を与えている。今回の調査報告によって彼らの現状を知らせたい。
調査
① 交通事故で死んだ動物の種類・個体数
② 狩猟や害獣駆除用の罠で捕獲されたアライグマ、イノシシの個体数と罠の設置場所
(各自治体から入手)
③5年ごとに実施される大阪府の高校生が自宅周辺の生き物を調べる指標生物調査「生物から見た大阪の自然」のアンケート結果
(大阪府高等学校生物教育研究会)
以上の結果を地図上に反映し土地と動物たちの分布の関係性を考察した。
結果・考察
アライグマについて
森林が多い山側だけでなく、都市部がある海側にも広く生息していることが分かった。また、「生物から見た大阪の自然」のアンケート結果より、回答者が調査した場所とその回答内容から岸和田市、泉佐野市、熊取町、泉南市、阪南市の都市部でよく見かけられることが分かった。このことからアライグマにとっては都市部での生活が快適なのではないかと考えた。
イノシシについて
緑の多い場所にまとまって生活していることが分かった。イノシシ生息状況調査報告書の農業被害アンケートより和歌山県との県境で被害が多くなっているので山間部にいることが分かった。よって、イノシシは普段から人がいる場所には現れにくいと考えられる。
今後の展望
アライグマやイノシシが多く生息している場所に何があるのかを詳しく調べること、貝塚市、泉南市、和泉市の鳥獣被害防止計画書では、年によって捕獲頭数が大きく変化していたので、理由を調べること、得られた資料を新たにグラフ化したり、地図に表したりすることでより詳細な分布を調べ地域の人々に知らせたい。


日本生態学会