21世紀に入って登場した次世代シーケンサーは環境微生物学・微生物生態学の分野に新たな潮流を生み出した。次世代シーケンス技術により膨大な遺伝子配列を複数同時に解析することが可能となり、従来に比べて迅速かつ簡便に、なおかつ高解像度に対象環境の微生物の多様性、動態が見えてくるようになってきた。さらに、各種環境中の微生物群集データと環境情報を解析することで、生態系における微生物の分布パターンや微生物間の相互作用などを包括的に理解することも出来る。次世代シーケンサーは微生物学のみならず生態学的観点からも利用価値の高いツールと言える。本発表では、次世代シーケンサーを用いた微生物群集解析に焦点をあて、実例を交えて基本的な実験操作やデータ解析の様子を紹介するとともに、その問題点や今後の課題についても触れていく予定である。