| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(口頭発表) C01-02  (Oral presentation)

生態ネットワークにみられる入れ子構造とネットワークサイズとの関係 【B】
Effect of network size on nestedness indices in bipartite ecological networks 【B】

*岸茂樹(農研機構・農情研), 平岩将良(農研機構・生物機能)
*Shigeki KISHI(RCAIT, NARO), Masayoshi HIRAIWA(NIAS, NARO)

生物群集のネットワーク構造を記述する代表的な指標に入れ子構造Nestednessがある。群集ネットワークにみられる入れ子構造とは、ジェネラリストと相互作用する種の集合のなかにスペシャリストと相互作用する種の集合が部分集合として入っている状態をいう。こうした構造を定量化するための指標がいくつか開発されている。しかし異なるネットワークの入れ子構造を比較するためには、ネットワークサイズ(総種数)や種-個体数分布が指標値にどのような影響を与えるのか知っておく必要がある。そこで、公開されている生態群集ネットワークのデータを用いて、入れ子構造指標とネットワークサイズ、種-個体数分布との関係を調べた。解析の結果、種数の異なるネットワークを比較するための望ましい指標はweighted NODFのz値であることが確認できた。発表ではさらに、入れ子構造が生じる主な要因であるネットワークサイズ、種-個体数分布、および生態的な種間相互作用のそれぞれを分離できることを示す。


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