| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(口頭発表) I02-07  (Oral presentation)

葉身を支える効率からみた単一根生葉、偽茎、真茎の比較
Isolated radical leaf, pseudo- and true-stem in the efficiency of supporting leaf blades

*紺野康夫, 顧令爽(無所属)
*Yasuo KONNO, Liang Shuang GU(Independent)

バイケイソウは、非開花時には根生葉の集まりである偽茎を、開花時には真茎を地上部に作る.構成する根生葉を外側から順次取りのぞくと、偽茎は自立できなくなる.このことから、集合することで根葉生は力学的な強度が増し、個々がばらばらであっては不可能な高い位置に、葉身を展開することができるようになることが分かる.そこで、偽茎を作ることが、葉身を支える支持器官(この場合は葉柄の集合体)に力学的な強さを与えるかを、根生葉をばらばらに展開するオオウバユリの葉柄のそれと比較することで検討した.力学的な強さは、荷重にたいする曲がりの大きさで求めた.また、バイケイソウ、オオウバユリとも開花時には真茎を作るので、バイケイソウ偽茎やオオウバユリ根生葉と、これら真茎との力学的な強さを比較した.以上の結果にもとづいて、根生葉、偽茎、真茎がもつ、物質経済的な支持効率(単位長茎重が支えうる葉身重)についても検討した.


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