| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-PD-465  (Poster presentation)

侵略的外来種マンリョウに付随する微生物群集のnagative個体群とexotic個体群間の比較 【B】
Comparison of microbial community associated with invasive species, coral ardisia(Ardisia crenata), between native population and invasive population 【B】

*中村直人(京都大学農学研究科), 北島薫(京都大学農学研究科), 東樹宏明(京都大学生態研), Flory S LUKE(University of Frolida)
*Naoto NAKAMURA(Graduate school of Agriculture), Kaoru KITAJIMA(Graduate school of Agriculture), Hiroaki TOJU(Kyoto Univ.), Flory S LUKE(University of Frolida)

侵略的外来植物による移入先の生態系の破壊は深刻な問題である。マンリョウ(Ardisia crenata)は原産地である日本ではそれほど被度が高くない普遍的な種であるが、アメリカの南東部に位置するフロリダ州では侵略植物となっており、林床の単一優占種として植物多様性を脅かしている。
外来植物の侵略成功の要因を知ることは、今後の防除や別種の侵略性の予測、また外来作物種の導入の環境へのインパクトを推定する上でも重要である。様々な要因が植物の侵略性に関与することが知られているが、近年、植物体内及び土壌中の微生物群集が植物の侵略性に大きく寄与する可能性が注目されている。マンリョウの侵略成功においても、原生地の日本では働いている病原菌等による負の密度効果が侵略先では欠落している可能性がある。そこで本研究では、日本及びフロリダのマンリョウ個体群の植物体内と土壌の微生物群集を、メタゲノム解析を用いて在来個体群と外来個体群間で比較することを目標とした。
 フロリダと日本のそれぞれから120個体のマンリョウを採取し、葉と根と土壌の真菌類と細菌類の群衆組成を分析し比較した。植物体及び土壌サンプルからビーズ破砕法を用いてDNAを抽出し、その未精製DNAをPCR反応により増幅した。PCRキットにはAmpdirect®Plus(島津製作所製)を用い、反応液の組成と熱プロファイルも Ampdirect®Plusに従った。遺伝子領域は細菌類の16SrDNA領域、真菌類のITS1領域を用いた。
 本発表においては、実験デザインと実験手法において工夫した点などを紹介し、日本とアメリカのマンリョウ個体群間で微生物群集の種組成や種多様性、また微生物間相互作用がどのように異なっているのか、についてのパイロットデータも発表する。


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