| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PC-423  (Poster presentation)

国立環境研究所における外来社会性昆虫防除システム開発
Development of invasive social insects control system at National Institute for Environmental Studies

*坂本洋典(国立環境研究所), 坂本佳子(国立環境研究所), 鈴木嵩彬(国立環境研究所), 神宮周作(対馬市役所), 中嶋信美(国立環境研究所), 五箇公一(国立環境研究所)
*Hironori SAKAMOTO(NIES), Yoshiko SAKAMOTO(NIES), Takaaki SUZUKI(NIES), Syusaku SHINGU(Tsushima city government), Nobuyoshi NAKAJIMA(NIES), Koichi GOKA(NIES)

2019年(令和元年)、東京都品川ふ頭でヒアリの野生巣が発見され、さらに青海ふ頭では多数の新生女王アリを含む大型巣が確認された。近縁種の特定外来生物アカカミアリも同様に野生巣が東京都品川ふ頭で発見されている。さらにツマアカスズメバチ中国東部亜種の本州における営巣が山口県で初めて確認され、今後の分布拡大が懸念される。これら外来社会性昆虫に対する防除対策は喫緊の課題であり、国立環境研究所では防除手法の開発を急いでいる。ヒアリ類に対しては、台湾の定着集団を用いて、防除用薬剤の選定および処理法の開発を行っている。また、ヒアリの早期発見ツールとして、LAMP法を活用したヒアリ検出キットを開発し、全国配備を進めている。ツマアカスズメバチについては、長崎県対馬において、IGR剤を用いた化学的防除法の野外試験導入に向け、地元自治体との協働を推進している。本講演ではこれら外来社会性昆虫に対する防除対策の最新成果について報告する。


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