| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-35  (Poster presentation)

埼玉県における外来生物クビアカツヤカミキリの被害状況
Damage caused by Aromia bungii in Saitama Prefecture

田辺実夏子(埼玉県立川越女子高校), *Koki KISHIMOTO(Saitama Warabi H.S.), 毛利穂香(埼玉県立蕨高校), 高田寛也(埼玉県立春日部高校), 不破駿(埼玉県立熊谷西高校), 近藤花音(埼玉県立越ケ谷高校), 齊藤康太(埼玉県立坂戸西高校), Ayumu TANAKA(Saitama Koshigaya Kita H.S.), Miyuu SOUMA(Saitama Koshigaya Kita H.S.), Daiki TAKAHASHI(Saitama Warabi H.S.), Haruka TAGUCHI(Saitama Warabi H.S.), Rui KANEKO(Saitama Warabi H.S.), Takeru KIKUCHI(Saitama Warabi H.S.), Ryuya HAYASE(Saitama Warabi H.S.), Kazuki MINEGISHI(Saitama Warabi H.S.)
Mikako TANABE(Saitama Kawagoe Girl's H.S.), *Koki KISHIMOTO(Saitama Warabi H.S.), Honoka MORI(Saitama Warabi H.S.), Hiroya TAKATA(Saitama Kasukabe H.S.), Shun HUWA(Saitama Kumagaya Nishi H.S.), Hanane KONDO(Saitama Koshigaya H.S.), Kota SAITO(Saitama Sakado Nishi H.S.), Ayumu TANAKA(Saitama Koshigaya Kita H.S.), Miyuu SOUMA(Saitama Koshigaya Kita H.S.), Daiki TAKAHASHI(Saitama Warabi H.S.), Haruka TAGUCHI(Saitama Warabi H.S.), Rui KANEKO(Saitama Warabi H.S.), Takeru KIKUCHI(Saitama Warabi H.S.), Ryuya HAYASE(Saitama Warabi H.S.), Kazuki MINEGISHI(Saitama Warabi H.S.)

 高校生研究ネットワーク「通称:チームアライグマ」は、アライグマを中心とする外来生物の調査や外来生物問題を広く啓蒙することを目的として、平成26年度より外来生物問題に関心のある埼玉県内外の中学校や高等学校約10校の生徒で結成された。
 特定外来生物のクビアカツヤカミキリAromia bungiiは、サクラやモモ等のバラ科の樹木を食害し枯死させる。埼玉県内においては、平成25年に県東部の草加市・八潮市でサクラの被害が初めて確認された。平成29年以降は県北部でも被害が確認されはじめ、令和元年度の埼玉県環境科学国際センターによる調査(県民参加の「クビアカツヤカミキリ発見大調査」)では、群馬県南部との県境付近に位置する埼玉県羽生市、行田市、加須市、深谷市、熊谷市、鴻巣市、寄居町でクビアカツヤカミキリが確認された。クビアカツヤカミキリの分布域は、埼玉県内で拡大しつつあると考えられる。
 本研究では、県内でのクビアカツヤカミキリの分布をさらに詳細に調べることを目的とし、クビアカツヤカミキリの幼虫の食痕であるフラスの有無を所属校の周辺、生徒の自宅周辺など、サクラの植栽地合計119か所で調査・記録した。結果として草加市で2か所、羽生市で1か所の合計3か所でクビアカツヤカミキリのものと思われるフラスを確認した。
 クビアカツヤカミキリは県内各地に存在する桜並木などを介して、今後も分布を広げることが懸念される。現在の分布の前線に当たる場所を詳しく調査し、被害を確認した際には速やかに防除をして分布拡大を防ぐべきだと考える。そこでチームアライグマでは、今後クビアカツヤカミキリの分布の前線の詳細な調査の実施や、より多くの生徒・市民の目でクビアカツヤカミキリを監視する体制の構築に力を入れていきたいと考えている。なお本研究は、中谷医工計測技術振興財団の助成により研究活動を行っている。ここに感謝申し上げる。


日本生態学会