| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


シンポジウム S26-3  (Presentation in Symposium)

生物多様性観測の為のモニタリングサイト1000/過去・現在・未来
Monitoring site 1000 project for Biodiversity monitoring/past, now and future

*曽宮和夫(環境省生物多様性セ)
*Kazuo SOMIYA(Biodiversity C., Min. Env.)

 環境省は、生態系の異変をいち早くとらえ、生物多様性の保全へつなげることを目的として、2003 年に「モニタリングサイト1000」事業を開始した。
 これは全国に1,000 か所以上の調査サイトを設置し、100 年以上モニタリングを継続することを目標とする。2019年3月末時点で、1095箇所設定されており、調査地は高山、森林・草原、里地、湖沼・湿原、沿岸・浅海域及び小島嶼の6つに大きく分かれている。調査対象も植物、哺乳類、鳥類、魚類や昆虫等多岐に亘っている。また、調査主体も調査サイトや内容に応じて研究者から市民まで幅広い。
 5年を一区切りとして調査を行っており、調査により開始時期が異なるが、基本的に2018年度に第3期までのとりまとめを終え、2019年11月にとりまとめの概要版を公開した。また、その成果については、希少種等の情報を除き原則全て環境省のホームページで順次公開している。
 1000箇所以上の調査地は設定されているが、森林・草原のうち、特に鳥類の調査サイトと里地のサイトで約660余りとなっており、また、鳥類を調査対象としているものを集計すると約670余りになるなど場所や対象により調査努力の大きさにばらつきがある。地理的にも、可能な限り全国を代表できるように配置するよう意図されているが、調査体制の確保が困難であること等の理由により対象とする生態系によっては、地理的にもばらつきがあるのが実情である。日本の生態系のうち生態系や調査対象種(群)に応じて、どの程度の調査がなされてきているか等について整理し報告したい。
 日本全体の生態系を真の意味で体系的にどこまでモニタリングできているか等課題は多いが、他方、モニタリングを15年以上に渡り継続できている意味は小さくないと考えている。モニタリングの中で見えてきた調査成果の概要についても簡単に触れたうえで、本調査が持つ可能性と今後のあり方についても併せて報告する。


日本生態学会