| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


シンポジウム S02-7  (Presentation in Symposium)

日本における土壌呼吸量の広域推定
Upscaling of soil respiration in Japan

*市井和仁(千葉大学), 山貫緋称(千葉大学), 梁乃申(国立環境研究所), 寺本宗正(鳥取大学), 高橋善幸(国立環境研究所), 曾継業(国立環境研究所), 高木健太郎(北海道大学), 平野高司(北海道大学), 石田祐宣(弘前大学), 高木正博(宮崎大学), 楢本正明(静岡大学), 中根周歩(広島大学), 近藤俊明(国際農研), 小嵐淳(原子力機構), 安藤麻里子(原子力機構)
*Kazuhito ICHII(Chiba Univ.), Hina YAMANUKI(Chiba Univ.), Naishen LIANG(NIES), Munemasa TERAMOTO(Tottori Univ.), Yoshiyuki TAKAHASHI(NIES), Jiye ZENG(NIES), Kentaro TAKAGI(Hokkaido Univ.), Takashi HIRANO(Hokkaido Univ.), Sachinobu ISHIDA(Hirosaki Univ.), Masahiro TAKAGI(Univ. of Miyazaki), Masaaki NARAMOTO(Shizuoka Univ.), Kaneyuki NAKANE(Hiroshima Univ.), Toshiaki KONDO(JIRCAS), Jun KOARASHI(JAEA), Mariko ATARASHI-ANDOH(JAEA)

陸域生態系のCO2等のフラックスの推定には、近年はAsiaFluxやFLUXNETなど観測ネットワーク網や衛星リモートセンシングデータの充実により、観測データに基づく推定(データ駆動型(data-driven)の推定)が可能になってきた。一方、土壌呼吸に関しては、様々な課題を抱えており、広域推定は十分には実現されていない。土壌呼吸の広域推定については、統計モデルによる手法やプロセスモデルによる手法などいくつか提案されているが、既存の土壌呼吸のデータベースでは異なる観測方法が混在していること、連続的な土壌呼吸の観測が難しく主には年間値で推定されていることなど観測データベースに多くの問題を抱えていた。
国立環境研究所らのグループでは統一された観測手法・データ処理手法によるアジア域のチャンバー連続観測ネットワークを構築しており、上記の課題を解決できる可能性を持っている。そこで、我々は、衛星データと機械学習を用いることで土壌呼吸の広域推定を試みている。まずは、日本を対象にした8観測サイトのデータを用いた解析を進めている。本発表では、(1)AsiaFluxやFLUXNETデータベースと衛星観測データを利用して機械学習法を適用することによるCO2フラックス(総一次生産量、生態系CO2交換量)推定手法の紹介と、(2)土壌呼吸ネットワークと衛星観測データと機械学習を用いた土壌呼吸の広域推定と既存のデータセットとの比較解析について紹介し、今後の課題についても議論したい。


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