| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


シンポジウム S12-2  (Presentation in Symposium)

この10年を振り返って:実務と研究のギャップ、オープンデータとデータ共有
Report buck on our activities in this decade

*大澤剛士(東京都立大学)
*Takeshi OSAWA(Tokyo Metropolitan Univ.)

Evidence Based Policy Making(EBPM)という言葉を耳にする機会が増えてきた。これは政策の企画について、経験等に頼るのではなく、目的を明確化したうえで合理的根拠(エビデンス)に基づいて行うことを意味する。目的を明確化した上でエビデンスに基づいて議論を行うことは、科学においては当たり前の手続きであるが、政策においても同じ手続きを踏むという考え方が広く知られるようになってきている。演者はこのことについて、科学と政策の根幹にある考え方が近づいてきている証左の一つと考えている。ここでいうエビデンスとは、正当な手続きによって取得されたデータであると言ってもよいだろう。そしてエビデンスは、誰でも自由にアクセスできる状態にしておき、意思決定の透明性を担保する必要もある。これは、オープンデータの考え方と合致すると考えてよいだろう。演者らはこれまで約10年にわたり、①研究成果を社会課題の解決に活かすこと、②データの公開、共有を推進し、利用可能なデータを増やすことという2つを自身の研究の軸足としてきた。そして現在、この2つは明らかに交わりつつあると感じている。本講演では、演者の①、②に関わるこれまでの取り組みについて紹介するとともに、この10年で達成できたと考えること、今後議論を深めるべき内容等について演者の考えを示したい。


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