| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(口頭発表) C01-01  (Oral presentation)

葉齢段階の異なるイネ科植物の葉における菌類群集組成の比較
Comparison of fungal community composition in different leaf ages of grasses

*秦野悠貴(同志社大学大学院), 松岡俊将(兵庫県立大学大学院), 土居秀幸(兵庫県立大学大学院), 長谷川元洋(同志社大学), 大園享司(同志社大学)
*Yuki HATANO(Doshisha University), Shunsuke MATSUOKA(University of Hyogo), Hideyuki DOI(University of Hyogo), Motohiro HASEGAWA(Doshisha Univ.), Takashi OSONO(Doshisha Univ.)

植物の生きた組織内部に無病徴で存在している菌類はエンドファイトと呼ばれ、あらゆる陸上植物において認められている。その中でもイネ科植物に特異的なEpichloë属菌類には、感染による宿主植物への乾燥耐性の付与、病原菌に対する抵抗性の付与が報告されており、イネ科植物とEpichloë属菌類は相利共生の一例として知られている。
一方で、Epichloë属菌類は植物組織の枯死後の分解プロセスにも関わっていることが実証されており、Epichloë属菌類が他の菌類による分解を阻害している可能性があるが、Epichloë属菌類が植物組織の枯死後の分解プロセスに果たす直接的な役割や菌類群集への影響についてはまだよく分かっていない。
本研究では、イネ科植物の生葉から落葉にかけて葉齢の異なる葉を対象にEpichloë属菌類の生息状況が葉齢によって変化するのか、Epichloëの存在によって菌類群集が変化するのかを調査した。調査は京都市の鴨川沿岸に生息するカモジグサとアオカモジグサを対象とし、葉齢は生葉、老衰葉、枯死葉、落葉の4つに区分し、菌類群集の検出はDNAメタバーコーディングを用いて行った。
本発表では葉齢に伴うEpichloë属菌類の検出率の変動やEpichloëが検出されたサンプルとされなかったサンプル間での菌類群集の変動についての解析結果を報告する。


日本生態学会