| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-064  (Poster presentation)

ウミネコの着地動作のデータ化とカテゴライズによる分析
Data collection and categorization of landing behavior of seagull

*村社光誠(筑波大学大学院), 河辺徹(筑波大学), 合原一究(筑波大学)
*Kosei MURAKOSO(Grad. Sch., Univ. Tsukuba), Tohru KAWABE(Univ. Tsukuba), Ikkyu AIHARA(Univ. Tsukuba)

 鳥は翼の角度を変え、羽ばたくことで上昇や滑空、旋回、着地など空中で自由に動き回ることができる。そのような鳥の中でも、本研究ではウミネコ(Larus crassirostris)の着地動作に着目する。ウミネコは全長46-48cm、翼開長118-124cm、体重500-600gで、川・湖沼・干潟・海などで見ることができる。また、ウミネコは他の鳥と比較して翼が細長いため、抗力を減らすことができ、滑空距離が長いという特徴がある。そのような特徴を活かしたウミネコならではの着地軌跡や翼の動作が実現されていると考えられる。さらに、ウミネコなどのカモメ類は群れで行動することが多く、特にウミネコは1年を通して見ることができる。そのため、データを集めやすいという利点がある。本研究では、ウミネコの着地する様子を撮影し、そのデータから着地動作のパターンを分析することを目的とする。
 実験は茨城県東茨城郡大洗町で実施した。具体的には、2台のカメラを使用してウミネコの着地動作を約2時間撮影し、着地データ約500例を取得した。その着地データからウミネコの着地方法を目視で確認し、複数の着地パターンを確認した。次に、撮影データからDeepLabCutで動画上のウミネコの位置を取得し、MATLABのDLTアルゴリズムを用いて3次元空間座標として着地軌跡を定量化した。さらに、その着地軌跡をk-means法によりクラスタリングを行い、目視によるカテゴリ分けと比較した。最後に、実験時の風速や風向などの環境変化を考慮した上で、各カテゴリの飛行軌跡をウミネコがどのように適応して着地動作を行なっているのかを考察した。


日本生態学会