| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-012  (Poster presentation)

環境応答におけるサンゴ種内変異をマルチオミックス解析で明らかにする
Multi-omics analysis reveals intraspecific variation in coral responses to environmental changes

*Akira IGUCHI(AIST), Kei ZAITSU(Nagoya University)

サンゴ礁生態系の基盤構成生物であるサンゴ類は、体内に共生藻類を保持しているが、夏季の高水温期に受ける高温・強光等のストレスによって、その共生関係が崩壊するサンゴ白化現象と、それに続く大規模な死滅が危惧されている。その中で、高いストレス耐性を示すサンゴ種内系統(スーパーコーラル)の存在に注目が集まっているが、その要因に関しては未解明な点が多い。そこで我々の研究グループでは、琉球列島で多く見られるコユビミドリイシを対象とした種内系統の選抜とマルチオミックス解析を進めてきた。本発表では、2016年の大規模サンゴ白化時に絞り込まれた、ストレス耐性が顕著に異なる種内系統を対象に実施した、遺伝子発現解析、メタボローム解析、そして共生藻類等のメタバーコーディング解析等のデータを元に、海外で行われている先行研究も参考にしながら、スーパーコーラルを特徴づける要因について議論する。


日本生態学会