| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-055  (Poster presentation)

コクヌストモドキの繁殖形質に見られた緯度クライン
A latitudinal cline of reproductive trait in the red flour beetle, Tribolium castaneum

*松村健太郎(香川大学), 若林恭輔(岡山大学), 宮竹貴久(岡山大学)
*Kentarou MATSUMURA(Kagawa University), Kyosuke WAKABAYASHI(Okayama University), Takahisa MIYATAKE(Okayama University)

気温などの環境要因が地理で異なるように、多くの生物の形質にも地理的変異が見られる。先行研究により、生物の繁殖期が地理的に異なり、低緯度地域の方が高緯度地域よりも繁殖期が長くなる緯度クラインが報告されている。繁殖期の長さの違いは、性選択の強さや方向性に影響を与え、その結果として繁殖形質の緯度クラインが生じる可能性がある。実際に、いくつかの種において繁殖形質の地理的変異が報告されているが、繁殖期の長さとの関係に注目した研究例は数少ない。本研究では、コクヌストモドキTribolium castaneumを日本各地の生息地より採集し、雄と雌の繁殖形質を比較した。その結果、雄の繫殖成功率に地理的変異が見られ、低緯度地域の方が高緯度地域よりも繁殖成功率が増加するような緯度クラインが見られた。また、雌の交尾回数にも地理的変異が見られ、雄の繁殖成功率と雌の交尾回数は正の相関関係にあることも明らかになった。以上の結果から、低緯度地域の方が高緯度地域よりも繁殖期が長いため、強い性選択が働き、低緯度地域の個体の繁殖成功が増加したのではないかと考えられた。


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