| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-275  (Poster presentation)

小田原漁港の漁獲物を用いた深層学習による魚種判別と体長測定手法の検討
Study on fish species identification and body length measurement method by deep learning using fish catch at Odawara fishing port

*柴田泰宙(水産研究・教育機構), 長田穣(水産研究・教育機構), 桑原智之(JANUS), 岩崎一晴(JANUS), 北村徹(JANUS), 岩原由佳(水産研究・教育機構)
*Yasutoki SHIBATA(Fisheries Res. and Edu. Agency), Yutaka OSADA(Fisheries Res. and Edu. Agency), Tomoyuki KUWAHARA(Japan NUS Co.,Ltd.), Kazuharu IWASAKI(Japan NUS Co.,Ltd.), Toru KITAMURA(Japan NUS Co.,Ltd.), Yuka IWAHARA(Fisheries Res. and Edu. Agency)

海の中にいる漁獲対象種の個体数やその年齢組成(年齢別資源尾数)を正確に把握することは、対象種を乱獲することなく持続的な漁獲を続ける上で非常に重要である。しかしながら、海の中にいる対象種の年齢別資源尾数は、直接的には観測不可能なことが多い。そのため、一般的には、観測可能な情報である漁業によって水揚げされた対象種の漁獲量とその漁獲量中の年齢組成の情報(年齢別漁獲尾数)を用いて、年齢別資源尾数を推定するという手法が用いられる。従って、年齢別漁獲尾数の正確な把握が持続的な漁獲を続ける鍵になるが、年齢別漁獲尾数は人の手によって測定される体長情報が基になって算出されるため、何らかの要因で十分な量の測定が行えないと、年齢別漁獲尾数に大きな不確実性が残ってしまう。そこで、本研究では、近年注目されている深層学習を用いた物体検出モデル(Mask R-CNN)を用いることで、画像に写った魚体の種類と体長情報を取得する手法の開発を試みる。材料として、主に2020年8月から12月の間に神奈川県小田原漁港で得られた画像データを、深層学習で利用可能な状態のデータ(教師データ)に変換し、解析に用いた。学習に用いなかったデータを用いて精度評価を行い、本研究で開発したモデルの有用性を明らかにする。


日本生態学会