| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-366  (Poster presentation)

首都圏におけるみどりに対するエートスの変遷
Changes of ethos in green of the Capital area

*倉本宣(明治大学), 片山暖那(明治大学), WUXimei(明治大学大学院), 赤尾智宏(明治大学大学院)
*Noboru Wada KURAMOTO(Meiji Univ.), Haruna KATAYAMA(Meiji Univ.), Ximei WU(Grad. school of Meiji Univ.), Tomohiro AKAO(Grad. school of Meiji Univ.)

首都圏の都市近郊林は、①利用については刈敷の使用→材の燃料としての使用と落ち葉の堆肥としての使用→経済的価値を失い放置、②構造については草原→若齢の雑木林→大径木の雑木林→ナラ枯れの発生、③利用については狩場→行楽→自然観察→里山管理ボランティアと変化してきた。いずれも、樹木の伐採を行わない内容の変化であった。そのため、かつては樹木の伐採になじみのあったものの現代は伐採と無関係の都市住民は樹木の伐採に反対する傾向がある。例えば、明大通りの街路樹プラタナスの伐採反対、神田警察署通りのイチョウの街路樹伐採反対、国立市さくら通りのソメイヨシノのジンダイアケボノへの植替え反対などが行われた。そこで、伐採した樹木を活用するなどして、伐採についての住民の親和性を高めるとともに、植栽時に見栄えがする植栽は過密になって一部の伐採が必要なことなどを社会的に合意する必要がある。


日本生態学会