| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-19  (Poster presentation)

プラナリアの自切条件の特定
The identification of Planarian's self-cutting

*北村颯太(大阪府立岸和田高校)
*Souta KITAMURA(Kishiwada Highschool)

プラナリアは淡水に生息する扁形動物門ウズムシ亜目に属する生物の総称であり、プラナリアの特徴として挙げられるのは、有性生殖と無性生殖を行う点と著しい再生能力を持つ点である。
 本研究では、プラナリアの一種であるアメリカツノウズムシを用いる。アメリカツノウズムシは北米原産の外来種であり、自切と呼ばれる無性生殖を行う。この自切に関しては、どのような仕組みによっておこるのかについては研究されているが、自切が起きる環境・要因については私が調べた限りでは明確にしているものはなかった。よって、これを解明することを目的として実験と野外調査を行った。
 自切条件の仮説として、生息地が川の岩の裏などであることから、光・水温、また、岩には凹凸があることから外傷が要因であると考えた。そこで、光を照射する実験と人為的に個体に切込みを入れて外傷を作り経過観察をする実験を行った。
 また、自切と季節・水温の関係を明らかにするために、大阪府阪南市箱作にある茶屋川親水公園において、50㎝四方のスポットを8箇所設定し、水温・気温・水温・個体数・自切個体数の調査を行った。そこで得たデータからスポットごと、日にちごとの全個体数に対する自切割合を出し、傾向を読み取った。10月末までの野外調査の結果では、個体数は夏に向けて増加し、冬に向けて減少した。自切個体は、水温19℃付近において、もっとも多数が観察された。また、日陰、川の流れが強いスポットでは自切割合は高いといった傾向が見られた。これらの傾向が見られる理由を考察していく。


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