| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


シンポジウム S22-7  (Presentation in Symposium)

長期生態系調査のための市民参加型調査の可能性
Potential of citizen-science monitoring for long-term ecological research

*大野ゆかり(東北大学)
*Yukari ONO(Tohoku University)

市民科学(シチズンサイエンス)とは、研究者などの専門家と市民が協力して行う市民参加型の活動やプロジェクトを意味する。近年では、Galaxy ZooやFolditに代表されるように、デジタルツールを活用することで、より多くの市民参加を可能にするオンライン・シチズンサイエンスが始まった。これらの成功により、市民科学は研究者を含む多くの人々に注目されている。日本でも様々な分野でオンライン・シチズンサイエンスが展開され、成果を出している。
市民参加型調査は、市民科学の中でも、貢献型のデータ収集にあたる。種同定のような専門知識が必要なことを除けば、データ収集は、市民と研究者の間に精度の違いはほぼないと考えている。市民参加型調査は、企画した研究者に大きな利益をもたらす。私が関わっている市民参加型調査「花まるマルハナバチ国勢調査」や、「環境DNAを用いた魚類調査プロジェクト」を例にあげながら、市民参加型調査の利点について説明する。そして、長期生態系調査のための市民参加型調査の可能性について議論したい。


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