| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-067  (Poster presentation)

集団行動をとった恐竜の生態的特徴を探る【A】
Analyses of the ecological traits and the habits of group-living dinosaurs【A】

*麻田英理(兵庫県立大学), 土居秀幸(京都大学)
*Eri ASADA(Univ.Hyogo), Hideyuki DOI(Kyoto.Univ)

恐竜は竜盤類と鳥盤類に分類することができ、鳥類は竜盤類に属する恐竜の生き残りであるという説が広く支持されている。鳥類の生態的特徴のひとつとして群生や子育てがあるが、この行動の起源は恐竜であると考えられている。そこで本研究では、群生の発生はどのような恐竜の特徴に影響を受けていたか? という点に着目して評価を行うこととした。恐竜の群生に関する研究は、種ごとに議論されているものはあっても、種横断的に総合的に評価されているものは少ない。本研究では、群生を行った恐竜について、その生態的特徴を明らかにすることを試みた。本研究の手法として、恐竜の群生の有無に言及された論文からメタ解析により群生行動がみられると結論づけられた種を研究対象として扱った。群生行動がみられた恐竜種について、その種が生息した年代、食性、古緯度・経度をPaleoBio databaseから取得し解析を行なった。これらの多変量について、連続数とカテゴリーデータを統合的に解析するため多因子分析を使用して解析した。解析の結果、恐竜誕生直後から群生をしていたのは竜盤類に分類される恐竜であったが、時代が進むとともに群生する鳥盤類が現れ、その後種数が増大し繁栄していたことが分かった。また食性は、草食、肉食、雑食の順で多く、多因子分析の結果からは、生態的特徴による分類に分類群と食性が大きく関わっているということが分かり、群生をした恐竜を①草食の鳥盤類、②肉食の竜盤類、③雑食の竜盤類の3つに分類できた。この中で鳥類の起源となった恐竜は主に、③に属する恐竜であり、他との違いとして食性以外に、抱卵という子育てがみられることと体長が小さいということが考えられた。よって、群生を行いさらに雑食性、抱卵による子育て、小型化が鳥類として生き残ることに有利に働いたと考えることができると考えた。


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