| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-073  (Poster presentation)

シバザクラ植栽血において根採食者のコガネムシ幼虫を見つける方法
What is the better way to find root feeder leave Mimela Splendens in a pholox garden?

*佐藤正義(酪農学園大学)
*Seigi SATOU(Rakuno Gakuen University)

北海道滝上町芝ざくら滝上公園は、日本有数のシバザクラの植栽地である。近年、シバザクラの植栽地ではコガネムシによる根採食被害が多発しており、防除が行われている。しかし有効な対策がないのが現状である。そこで本研究では土壌中のコガネムシの分布と地上部の植生の状態の関係を明らかにするために、①シバザクラのシュート変色の有無によってコガネムシの個体数は異なるか、②コガネムシの有無によってシュートの成長に差が現れるのか、③シュートの変色の有無によってシュート成長に差があるのかという疑問を検討した。また、コガネムシの齢数やシバザクラのシュートの成長には、一般に季節性があると考えられることから、④土壌中のコガネムシの個体数と地上部の状態の季節的な違いについても検討した。
春と秋に各4か所において、12mのライン状調査区を設け、調査区内に50cm×50cmプロットを1m間隔で設けて以下の調査を行った。各プロットでの変色シュートの有無を目視で確認・記録した。シュート成長を評価するために、各プロットからシバザクラのシュートを10本採取し、節間長を計測した。各プロットで縦20cm×横20cm×深さ10cmの範囲をスコップで掘り起こし、土壌中に見られたコガネムシ幼虫の個体数をカウントした。
本研究では春秋ともにコガネムシの個体数は変色プロットで有意に多かった。また、春ではシバザクラのシュート成長はコガネムシが検出されなかったプロットよりも1個体以上検出されたプロットで有意に大きかったことは、シュートの変色と春のシュート成長の抑制にはコガネムシが関わっていることを示唆した。
春では、変色プロットと隣接プロットでコガネムシ幼虫は多かったが、秋では変色プロットでコガネムシ幼虫は多く、隣接プロットでは同程度であった。これは春に比べて秋はコガネムシ幼虫の分布が集中しており、春よりも秋の方が幼虫の駆除を効率的に行うことができるとことを示唆した。


日本生態学会